破倫館

倫理的人生

アニメ

物語はいかにして充足しうるか?――矢部嵩『〔少女庭国〕』における服従の論理、オタクの欲望、観測者不在の百合

膨大な数の物語を消費し続け、それでも満たされない。Twitterアカウントを新規作成するたび「いま起きていることを見つけよう」というメッセージの――まさにその「いま」によって自我が輪切りにされてゆくことの、過去を切断してゆくことの――無意味さに耐えら…

『RELEASE THE SPYCE』7話 感想 「友達」ってなんなんだ

リリスパ、EPISODE:007 「初芽より愛をこめて」の感想。 今期、地味に『SSSS.GRIDMAN』の次くらいに推してる作品ですが、その中でも今回は特に面白かった。「誰とでも友達になれる」という初芽がただの愛嬌おっとり少女などではなく、友達になることに異常な…

プールの底から水面を見上げるように恋をする――『やがて君になる 佐伯沙弥香について』感想

入間人間『やがて君になる 佐伯沙弥香について』は仲谷鳰による漫画『やがて君になる』のスピンオフ小説。主要メンバーの一人である佐伯沙弥香にフォーカスした、原作の過去にあたる物語を描いています。 中学時代の佐伯沙弥香が自分自身の感情に振り回され…

『SSSS.GRIDMAN』6話感想 私たちの世界が何者かに侵略されている/怪獣の臭いのある質感

4話の邪推感想がそこそこ読まれててうれしい! わりと適当なこと書いてますしこれからも書くでしょうが、読んでくださってありがとうございます。 ちなみに5話の時点ではちょっと言及しにくい伏線などがあったので……一つ飛ばして6話について。4話の邪推につ…

『SSSS.GRIDMAN』4話感想 ずれた座席1列ぶんの径庭――百合×セカイ系のテーゼ

ホントならまず1話について書けよという感じなのですが、なんとなく伏線らしいものが出そろってきた感があるので、ちょっとここらで語ってみたくなりました。 というわけで4話「疑・心」の感想です。

2018年夏アニメ記録

かんたんな記録と感想。並びは適当

岐路は希望の兆しであれ――『リズと青い鳥』によせて(ネタバレ)

『リズと青い鳥』(山田尚子監督、2018、日本) 言葉が怖い。

アニメOPにおける代替可能性/並列の表現(マッチ・カット) -『カイバ』とか『冴えカノ』とか

湯浅政明監督による2008年のTVシリーズ『カイバ』がすごくいい。 肉体や記憶を売買・換装できるようになった世界を、ファンタジー的なタッチで描く。 主人公カイバ自身も肉体を乗り換えて旅をしながら、その中で様々な人間のドラマを目撃していく。キャラデ…