破倫館

倫理的人生

小説

物語はいかにして充足しうるか?――矢部嵩『〔少女庭国〕』における服従の論理、オタクの欲望、観測者不在の百合

膨大な数の物語を消費し続け、それでも満たされない。Twitterアカウントを新規作成するたび「いま起きていることを見つけよう」というメッセージの――まさにその「いま」によって自我が輪切りにされてゆくことの、過去を切断してゆくことの――無意味さに耐えら…

プールの底から水面を見上げるように恋をする――『やがて君になる 佐伯沙弥香について』感想

入間人間『やがて君になる 佐伯沙弥香について』は仲谷鳰による漫画『やがて君になる』のスピンオフ小説。主要メンバーの一人である佐伯沙弥香にフォーカスした、原作の過去にあたる物語を描いています。 中学時代の佐伯沙弥香が自分自身の感情に振り回され…